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2013/07/01

「自立する」とはどういうことなのだろう?

メンタルヘルスアドバイザー
市来 真彦
(精神科医・精神保健指定医)

 新年度を迎えて3か月が経ちました。新入生のお子さんはもう大学に慣れましたか?在学生のお子さんはどうでしょう?
 今回は「自立する」とはどういうことか、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。では最初の質問です。
「お子さんは自立していますか?」
 イエスの方、ノーの方、それぞれいると思います。では、次の質問です。
「自立するとはどうなることでしょうか?」
「親からの仕送りを受けず、一人でお金を稼いで生活をすること」、「困ったことが起きた時に、誰にも頼らずに自分だけの力で解決することができること」などなどいろいろな答えが出てきますが、どれも答えとしては不十分です。
 実は年齢や属性(今は大学生と言うこと)によって、「自立する」と言う意味は変化しますし、時代によっても意味は変わってくるのです。では現代の大学生にとっては、どのようなことができれば「自立の段階(ステージ)」をクリアすることになるのでしょうか?
多くの大学生は、大学を卒業した後に就職してお金を稼ぐことになるので、そういう視点からは、大学時代に 「親からの仕送りを受けず、独りでお金を稼いで生活をする経済的な自立をすること」は大学生にとって必ずしも必要ではありません。大学時代には、その前の段階、すなわち、就職する前に(社会に出るために)必要なことを学習し終えておく必要があるといえるでしょう。それは「部分的に自立をする」と言うことになります。
 「自立する」と言うと「何でもかんでも自分の力で(一人で)やる」と考える人がいますが、そうではありません。他人と交わらないことを「孤立する」と言いますが、「自立する」と言うことは「孤立する」ことではなく、「周囲の力を上手にかりて生きる」ことなのです。ですから現代の大学生にとって、大学時代は「適切に他人の援助を上手に受けながら生活する」練習を行う時期と言えるかもしれません。
 お子さんは親御さんの力を上手に借りているでしょうか?困った時には友人や先生、職員、ご兄弟に上手に相談しているでしょうか?相談することは「人の力を上手に借りる」第一歩です。
お子さんから相談を受けても解決しない場合、見ていて心配なのに相談もしてくれない、そのようなときは親御さんも一人で悩まずに、学生相談室にご連絡してください。学生相談室はお子さんが大学生らしく自立するお手伝いもしています。メールやお電話をお待ちしています。